記念すべき娘の初めての受験、そして初めての合格は漢検10級となりました。
ちゃんと名前書けるかな?
万が一、遅刻したらどうなるんだろう?
これから漢検受験を考えている親御さんたちは、きっといろいろ不安もあるかと思います。
娘は手が掛かるタイプの子なのですが、対策した上で問題なく漢検を受けられました。
少しトラブルもあったので、今回はそんな体験談を紹介します。
小学1年生で漢検を受ける3つのメリット
令和6年10月、我が家の長女は初めての検定試験『日本漢字能力検定10級』に挑戦してきました。
結果はみごと合格!
しかし受験した最大のメリットは、合格したことではありません。
「受験して本当によかった」そう思う理由を紹介します。
国語の勉強習慣が身に付いた
娘は人一倍、音読することや字を丁寧に書くことが苦手です。
ひらがなやカタカナの練習も、わずか3分で飽きてしまっていました。
しかし受験を決めてから、毎日必ず最初に漢字の勉強をすることにしたのです。
すると不思議なことに、時間になると自動的に机に向かって勉強し始めるではありませんか。
最初に「受験するから勉強しなきゃいけない」と思ったものが、いつの間にか当たり前になってきたのだと思います。
もともと好きだった算数を勉強する時間が国語になりました
10級に合格した後もその習慣は変わらず、今は9級に向けて漢字の勉強を進めています。
9級の賞状をもらうためにがんばる!
自分で本を読みたがるようになった
娘は絵本の読み聞かせは大好きですが、小学校の宿題の音読は苦手でした。
夜の読書タイムでも、自分で読んでというと、まったく絵本を開こうとしません。
しかし漢字の勉強が半分くらい進んだ頃から、絵本を読み聞かせようとすると「きりんが読む!」と言うようになったのです。
おそらくですが、漢字を学ぶにつれて言葉や文章への興味が出てきたのではないかと思います。
宿題の教科書音読も上手になり、最近は『番ねずみのヤカちゃん『番ねずみのヤカちゃん』は、ユーモアがあってワクワクするおすすめの絵本です!
国語の授業を楽しんでいる
2学期に入り、10月頃から漢字の学習がスタートしました。
相変わらず字はひらがなやカタカナは下手ですが、漢字はそれなりにきれいに書けています。
持ち帰るテストも、だいたい満点です。
家で勉強してるから、授業でもすぐに覚えられるよ
家庭で一度教えているのでそうでなくては困るのですが、私はまさにこれを目的としていました。
子どもは『できる』ので得意になって勉強しようとするし、2回勉強することで復習にもなります。
先生や友だちにほめられて自己肯定感もマシマシ
楽しく勉強できると学校そのものが楽しくなるはずです。
この経験を積み重ねて、国語の授業自体を楽しめるようになればと思っています。
漢検10級の難易度
自作図解https://www.kanken.or.jp/kanken/outline/degree.html
漢検10級は『小学校1年生修了程度』で、覚える漢字は80文字です。
『一』『二』『三』から、『草』『町』『名』など、ごく基本的な漢字を覚えます。
簡単な漢字ばかりですが、漢字デビューしたばかりの一年生は形・読み・意味を覚えるのが大変です。
娘が手こずったのは『町』と『村』。
同じイメージの漢字なので、検定ギリギリまでどちらがどちらか区別がつきませんでした。
そうかと思えば、難しいだろうと思った『女』は、すんなり形よく書けるようになりました。
トイレのような場所で、男女の漢字の形がインプットされていたからかも…?
漢字学習開始まで絵本の読み聞かせなどで字面を見慣れているかどうかで、学習の進み具合も変わってきそうです。
使用した漢検10級用の教材。メリットと使い方
教材についてはいろいろと迷いましたが、我が家では次の2つを使用しました。
増進堂・受験研究社「徹底反復 一年生の漢字」
我が家で最初に始めたのが『徹底反復 一年生の漢字』。
1年生で覚える80字を1日8文字ずつ、10日で一通り学習して繰り返すドリルです。
まずは音読プリントを使って、新出漢字をスラスラと読めるように練習します。
特にいいと思ったのが、漢字の書き方や読み方だけではなく、熟語の意味がすぐ横に乗っているところです。
横にぴったり親がついていなくても、意味をチェックしながら書き練習を進められます
また、文章での書き練習は、始めにトレースしてから裏にまったく同じ漢字を書くので、記憶が新しいうちに「自分で書けた」という経験ができます。
下記の画像の右側がトレースするページで、左側が娘が自分で書いた文字です。
ほかの似たり寄ったりのドリルとは一線を画した良い教材だと思います。
日本漢字能力検定協会「いちまるとはじめよう!わくわく漢検 10級 改訂版」
徹底反復が一ヶ月で終わってしまったので、念のため購入したのがこちら。
でも、本当に購入しておいてよかったです!
徹底反復は漢字の形や書き方を覚えるには最適かもしれませんが、読み方を鍛えるには物足りません。
「書き方はほぼ覚えた」という状態で挑戦してみたところ、読み方でいくつもつっかえてしまいました。
いちまるのドリルでは読み方や書き順などの問題が出題されます。
漢検本番と同じ形式で出題されるので、こちらに慣れておけば試験で解答の仕方に困ることもないでしょう。
ドリルの最後には模擬試験もあります
いちまるは5週間で完成するようになっているのですが、1週ごとに塗り絵や迷路などのお楽しみがあるのも娘のモチベーション維持に役立ちました。
勉強時間は2ヵ月半、約70時間
娘が漢字の勉強を始めたのは、夏休みに入ってから。
「プチ先取り学習を始めるなら、目標があった方がいいな」と思ったからです。
具体的にいうと8月1日から始めました。受験日は10月20日だったので、約2ヵ月半です。
2ヵ月で80文字覚えるのがどんな具合だったかというと、学習はやや急ぎ足になってしまいました。
具体的には、徹底反復ドリルを1ヵ月、いちまるを1ヵ月、残りは苦手箇所を繰り返しました。
漢検10級自体は、おそらく『いちまる』ドリルを1ヵ月繰り返せば受かるでしょう。
ただ、娘はこの2ヵ月半の間、漢字・算数・英語・宿題合わせて1日の勉強時間が約2時間になっていました。
このうち、1時間近くが漢字の勉強。
ほぼ毎日勉強していたので、80文字覚えるのにだいたい70時間かかりました。
文句を言いつつ、こちらが励ましつつ、なんとかこなしたという感じです。
最初は夏休みだったのでなんとかなりましたが、平日はここまで勉強させるのはかわいそうでした…
もしやり直せるなら、6月くらいから4ヵ月ほどかけて無理なく教えます。
学習の進め方。覚えやすく工夫した点
漢字どころか文字を教えるのも初めてだったので、はじめのうちはどう進めればいいか迷いました。
ひとまず検定を終えて、今回の勉強の仕方のよかった点と悪かった点を振り返ってみます。
使用するドリルを5部コピーする
まず、計画的な反復学習のために、ドリル全ページを5部ずつコピーします。
少し準備が大変ですが、ドリルを5冊購入するより圧倒的に安くて効率的に学習できます。
ドリルを見ながらノートに書いて練習するという方法もありますが、見ながら書くよりプリントに直接書く方が、子どもは学習しやすそうです。
我が家ではドリルをバラしてスキャンし、都度プリントアウトして使用していました。
1日に4~8個の漢字を進める
「1回に4個も8個も覚えるなんて、やり過ぎなのでは…?」
そう思った人も多いかもしれません。
しかし、4個くらいなら無理なく覚えられます。
そして重要なのが、最も効率がよいとされるタイミングで復習することです。
そのタイミングとは、1回目の復習は24時間以内、1週間後に2回目、2週間後に3回目、1ヵ月後に4回目。
一回覚えただけでは時間がたてば忘れてしまいますが、このタイミングで復習することで記憶への定着率を高めます。
『エビングハウスの忘却曲線』という有名な説ですね
思い出すためのフックを作る
新しい漢字を練習する最初の1回目は、なぜこの漢字がこの形なのかということを教えてあげると覚えやすいでしょう。
例えば、『木』なら、太い幹に枝と根っこがあるイメージ。『男』なら、田んぼで力仕事をするイメージ。
本来の成り立ちをいちいち調べてはいられないので、親が持つイメージでOKです。
我が家では『茶』を覚えるとき、くさかんむりはカタカナの『サ』、その下の山のような形は『屋根』、中身はカタカナの『ホ』に見立てて、
さあ、屋根の下でホっとするならお茶だよね
と言いながら、娘の手を動かしました。
最近『麦茶』という漢字を書かせたときも、娘は上のセリフを言いながら書いていました。
絵描き歌のように一緒に書くことで、記憶への定着率が高まる効果が期待できそうです。
模擬試験を経験しておく
本番前の模擬試験は必須です。
特に低学年までは、予想もしないことをしでかします。
娘は1回目の模擬試験のとき、上段だけ解答し、下段は丸ごと空欄で「終わった!」と笑顔全開でした。
これはひどい方かと思いますが、裏面の解答を忘れる子はいそうな気がします。
念のため、2~3回試験形式で問題を解いておくことをおすすめします。
日本漢字能力検定のHPでも、過去問に挑戦できます
覚えられなくても怒らない
学習が思ったように進まないと、ママの精神状態によっては心底イライラします。
親は仕事や家事をこなして勉強をみていますからね…
「書けば覚えられるんだから書きなよ。読み方も覚えろって言ったじゃん!」てなります。
でも、自分のためにも怒ってはいけません。
なぜなら、怒ると子どものモチベーションが低下して勉強が進まず、さらにストレスが増す結果になるからです。
私は最初の2週間ほど、愚かにも娘にくどくど説教してしまい、毎日とっても嫌な雰囲気が漂っていました。
この状態を避けるためには、過度な期待はしないこと。
それからは娘の学習能力を考慮した上で、初出で正解率50%、2日目で60%、3回目で70%を目標にして、目標を下回らない限りは学習したこと自体を褒めるように心掛けました。
すると娘の態度も軟化し、心なしか覚えるスピードもアップしたのです。
褒められるとやる気が出るみたい!
まとめ
漢検を受けることで得られるメリットは、子どもの成長にとってとても魅力的です。我が家では小学1年生の娘が漢検10級に挑戦し、見事合格しました。その過程で感じた大きな利点を3つご紹介します。
まず、国語の勉強習慣が身に付くことです。娘は最初、文字の練習や音読に苦手意識を持っていましたが、漢検に向けて毎日少しずつ勉強を続けたことで、机に向かう習慣が定着しました。この習慣は現在も続いており、さらなる級の挑戦に向けて意欲的に取り組んでいます。
次に、自分で本を読みたがるようになることです。漢字の学習を進めていく中で、言葉や文章への興味が高まり、自信を持って本を開くようになりました。以前は嫌がっていた教科書の音読も、今ではスラスラとこなし、読み聞かせが好きな絵本も「自分で読む!」と楽しむようになりました。
そして、国語の授業を楽しめるようになるという点も大きなメリットです。家庭で学んだ漢字は学校の授業でも役立ち、テストの正答率が上がり、先生や友だちに褒められることで自己肯定感も向上しました。このような経験が、勉強そのものの楽しさや自信にもつながっています。
漢検10級は、小学校1年生修了レベルで、覚える漢字は80文字。はじめての挑戦としてぴったりの内容です。検定を通じて、学ぶ楽しさや努力の成果を実感できるのは子どもにとって素晴らしい経験です。