そろそろ私立の併願校を決めないと!
そう言われても、どう選んだらいいのか…
そっか、まず選ぶ基準を知りたいよね
あと、いつまでに決めればいい?
OK!じゃあ私立高校の選び方と説明会の時期を見てみよう
そもそも併願って何?
私立高校に見学に行くと「単願ですか?併願ですか?」と聞かれます。受験を経験してきた親はともかく、高校で初めて受験する中学生は分からなくても当然です。
そこでまずは「併願って何?」という疑問から解消していきましょう。さらに、併願優遇や確約の取り方や、説明会の時期についても解説します。
2つ以上の高校を受験すること
併願とは2つ以上の高校に出願することをいいます。第一志望の公立高校と、滑り止めに私立高校を受験するのが併願です。逆に公立高校の後に本命私立を受けるのも併願です。対して、希望の高校1本に絞って受験することを「単願」といいます。
第二志望の私立高校で先に合格しておけば、リラックスして公立高校を受験できるでしょう。そのため、公立高校を志望する場合は私立高校を併願しておくことをおすすめします。
併願優遇や確約を受けるには個別相談が必須
都道府県によっては、高校の基準をクリアしている場合に併願校の受験が有利になる入試制度があります。東京都では「併願優遇」、埼玉県では「確約」と呼ばれています。
息子は埼玉の私立高校を併願するので、個別相談に行って「確約」を取ってきました。確約があれば、当日に普通にテストを受けさえすれば、よほどの事がない限り合格できるとされています。
なお、私立高校の方では「確約します」とは言いません。絶対に合格させるという約束はできないからです。その代わり「◎を出しますね」や「このコースは大丈夫です」といった言い方をします。
これらの入試制度を利用するには、2学期中に私立高校に個別相談に行かなければいけません。
お住まいの地域にどんな入試制度があるのか、三者面談や塾で確認しておきましょう!
説明会は7月頃から開始される
合同説明会には近隣の私立高校が集まるため、効率的に個別相談をして回れます。パンフレットや募集要項だけでは不明な点や、併願優遇の基準を確認したいという場合には、まず合同説明会に参加してみるといいでしょう。
説明会が始まるのは7月後半頃からです。個別相談会・オープンスクール・部活動見学は、ほぼ毎月のように行われています。合同説明会を逃した人は、12月までにそれぞれの私立高校の個別相談会へ足を運びましょう。
子ども自身でチェック!私立高校の選び方
たとえ第二志望だとしても、万が一、第一志望の高校に不合格なら3年間通うことになる学校です。子ども自身が納得して「行きたい」と思える高校かどうか、きちんと確認して置く必要があるでしょう。
ここでは、子どもにどんなところをチェックさせたらいいのか紹介します。
偏差値と希望のコース
最初は、現在の偏差値や、第一志望の高校の併願校としてよく選ばれている高校から自分に合った私立高校をピックアップしてみましょう。
自分でもギリギリ入れるレベルが上の高校で勉強しようとする子もいれば、余裕を持てるレベルの高校を選んで大学の指定校推薦枠を狙う子もいます。
また、興味のあるコースを設けている私立高校から選ぶのもよい方法です。例えば、国公立大学や難関私大を目指す進学重視コースや、理科や数学を重点的に学ぶ理数科コース、英語が得意なら外国語科コース、部活動重視のコースなど。
それぞれカリキュラムに特色があるので、よく調べてミスマッチのないコースを選びましょう。
部活動体験に参加してみる
中学で部活を頑張ってきた子は、高校の部活動も楽しみにしているでしょう。入りたい部活が決まっているのであれば、見学だけではなく体験会に参加してみることをおすすめします。
運動部はミニゲームなどで活躍すると、顧問の先生の目に留まって名前を聞かれることもあります。先輩たちと一緒にプレーすることで高校生活のビジョンが明確になり、受験へのモチベーションがアップするといううれしい効果も。
監督や先輩と話してやる気が出たから、優遇措置を受けるために検定頑張れたよ!
肌で感じる雰囲気も重要
実際に見学に行ってみると、高校によってだいぶ雰囲気が違うことが分かります。公立中学と似たような素朴な雰囲気の学校もあれば、あいさつの指導の行き届いた上品な学校もあります。
また、子どもは通学時間や電車やバスの乗り継ぎを想像しにくいため、初めて行くときは車より公共交通機関の利用がおすすめです。校舎やトイレの清潔感なども大事なチェックポイントです。
「いいなと思っていたけど、来てみたらちょっと違うかも…?」と感じることも。個人的には、そこに3年間通う姿がイメージできるところが、相性がいい高校なのかなと思います。
オープンスクールや文化祭に足を運んで、学校全体の空気を肌で感じてきましょう。
市立高校個別相談では何が査定されるの?
私立の併願校が決まったら、個別相談に申込みます。初めて行く人は「何を聞かれるのかな?」と気になるところですよね。最後に、個別相談でどんな話をするのか確認しておきましょう。
その① 内申点と偏差値が基準に達しているか
内申点とは学期の終わりに渡される通知表に付けられた「5段階評価」のこと。これが中学校から高校へ渡される内申書(調査書と呼ばれることも)に記載されます。
チェックされるのがどの年次分なのかは、都道府県によって異なります。3年次のみを見る高校もあれば、1・2年次の学年末分を見る高校もあるため、個別に調べておくと安心でしょう。
もう一つ査定のポイントとなるのが、模擬試験で出る「偏差値」です。この偏差値と内申点の両方、もしくはどちらか一方が高校が設けた基準を満たしていれば併願優遇が受けられます。
それぞれの高校の基準は、個別相談会に参加して教えてもらいましょう。塾で事前に基準を確認できることもあります。
その② 検定資格の取得状況で優遇も
私立高校によっては検定の取得状況によって優遇措置がとられることがあります。例えば英検を持っていれば内申点(または偏差値)に1加点というふうに。
例えば「希望のコースが偏差値60必要なのに59しか取れなかった」という場合でも、検定の加点で基準をクリアできるのです。
英検・漢検・数検では、たいてい「3級以上」が加点の基準となっています。偏差値60を超えると「準2級以上」、偏差値65を超える上位校になると「2級以上」を求められることが多い印象です。
その③ 課外活動などのアピールポイント
成績や検定のほかにも、部活動・生徒会・ボランティア活動などで加点をもらえる高校もあります。
部活動なら部長や副部長をやっていること、生徒会の会長・副会長や委員会の委員長を経験しておくとよさそうです。
スポーツに力を入れている高校では、県大会以上への出場で大きな加点をくれて、スカウトしてくれることもありました。
そのほか、継続してボランティア活動をしている子や、コンクール入賞などが加点対象になるかもしれません。
相談会で記入するアピール欄には、書けるものは全て書いてアピールしておきましょう。
駅伝の記録やスポーツテスト結果も書いたよ
個別面談で注意したいこと
面談や受験当日に「エッ?」と驚くことがありました。私のようにびっくりすることのないよう、次の2点に気を付けてください。
事前に優遇措置の内容を把握しておく
優遇のために検定をめざしている場合は、高校の各コースでいくつ加点されるか把握しておき、事前に基準偏差値をクリアしているかどうか確認しておきましょう。
これ、本当に重要です!面接官は必ずしも全ての基準を把握しているわけではありません!
うちは希望コースの基準値をクリアした状態で11月の個別面談に行ったところ、「希望コースには1点足りないので、もう1つ下のコースに◎をつけますね」と言われたんです。
すかさず「確か英検2級で加点があったと思うんですが…」と訴えたところ、しばらく確認で席を外した後、無事に希望コースで確約が取れました。
併願優遇や確約を取っても油断は禁物
受験日が来るまでは「確約が取れたら試験は名前さえ書ければ合格する」なんて聞いていました。
しかし息子の話によると、単願の確約者・併願の確約者・一般受験者の3タイプがそれぞれ別の教室で受験したそうです。
さらに受験開始前に、3教科の各試験で50点以上取れたら合格と説明されたといいます。ちなみに単願者は30点以上とのこと。
確約取っても下手すれば落ちることもあるんだ!
「名前だけ書ければ…」という話が本当かどうかは分かりませんが、気を抜かずに全力でテストに取り組んだ方がいいでしょう。
積極的に足を運んで確約や併願優遇を取っておこう
たとえ第二志望といっても、併願校は3年間通うことを前提にして真剣に選んでおくべきです。見学会や部活動体験などに積極的に参加して、高校の雰囲気を知っておきましょう。
併願優遇制度が利用できれば、安心して第一志望の高校にチャレンジできますね。